ウェブページ制作を通してみた文科系大学生の自己呈示傾向

摘要

こうしたWWWの特徴は，相互作用を通して展開するコミュニケーション過程とは異なるパターンを示している．情報の発信という面からみると，書き手は白身のホームページ上で自由に発信できるが，その情報は単に「置かれて」いるにすぎず，他者の目に必ず触れるという保証はない．WWW空間はしばしば世界中の人々に開かれていると言われるものの，それはシステムレベルに当てはまることであって，実際にそのホームページが読まれるかどうかは受信者次第である．受信者が情報を見に来ることによってはじめてコミュニケーションが成立し，そして受信者が何らかのフィードバックを発信者に対しておこなわない限り，双方向のコミュニケーションとはなちない．その意味でホームページは，受信者優位のコミュニケーション形態ともいえる．そこで本稿では，文科系大学生のホームページ作成を通して，現代の若者の，インターネットにおける自己開示の傾向を具体的に見ることとする．