非対称な電気接点対の寿命と信頼性に関する一検討

摘要

高信頼で長寿命な電気接点を開発するためには，アークなどの現象に対する熱的な作用を検討することが必要となる．実際の電磁リレーは固定電極と可動電極が対称な構造ではない．そのため熱伝導が固定電極と可動電極では異なり，寿命や信頼性に対して影響を与えると考えられる．そこで本研究では非対称構造を持つ電磁リレーの電流の方向を変えたときの開離回数に対する接触抵抗，アーク継続時間の違いを実験的に検討した．その結果，極性の入れ替えを行うことでアーク継続時間と接触抵抗に違いが見られた．熱容量が大きい固定電極が高電圧側のとき，接触抵抗とアーク継続時間は低く，短くなり，変動も小さかった．熱応答の計算では可動電極の方が速い熱応答を示し，固定電極と異なるステップ応答を示した．熱容量が小さい電極が高い電圧側であるとき，速く寿命に達することが示された．