スマートメータネットワークにおける電池交換コスト削減のための計画的交換を指向した経路制御法

摘要

近年，スマートグリッドを支える技術の1つとしてスマートメータネットワークが注目されている．スマートメータネットワークでは，シンクまでの距離に応じたデータパケット中継頻度の違いにより，メータノード間で消費電力に差が生じる．各メータノードの電池を交換しながら長期間ネットワークを運用する場合，1回の電池交換タイミングにおいて，許容最大数を超えない範囲でより多くの電池を交換しながら交換処理を行うタイミングの頻度を減少させることが，交換に要する人件費を含めた電池交換コストを抑制する点で重要となる．筆者らの先行提案方式では，上記のような電池交換コストの抑制を目的とし，一定数ごとにノードをグループに分け，同一グループ内ノードの電池交換タイミングを揃える制御を行っている．しかし，グループ内で電池交換タイミングを揃えきれず，交換処理を行う頻度を十分に抑制できない状況が発生する．本稿では，残余寿命の観点から電池交換タイミングを無理なく揃えられるノードを同一グループに編成し，それらの間でタイミングを揃えて電池交換を行うことで，電池交換コストおよび交換時に廃棄される残余電力量を抑制する経路制御法を提案，評価する．