コンテンツ移動を考慮したデータ指向型ネットワークのための経路情報管理方式

摘要

IPアドレスに依存しない新しいネットワークアーキテクチャとしてコンテンツ指向ネットワークが提案されている．コンテンツ指向ネットワークにおいては，コンテンツ要求クエリは宛先IPアドレスに代わり，要求コンテンツの名称によってルーチングが行われる．ネットワーク内には膨大な数のコンテンツが存在し，各コンテンツごとにルーチングテーブルのエントリが作成されることから各ノードのメモリを圧迫する問題がある．この問題に対して，情報圧縮が可能なデータ構造であるBloom Filter（BF）を利用した経路制御方式が注目されている．従来のBFを利用した経路制御方式では，コンテンツの移動や削除に対応できないという課題がある．そこで，複数のBFを利用することにより，コンテンツの移動に対応した経路情報管理方式を提案·評価を行ってきた．しかし，広告回数の多さという課題が存在しているため，本稿では，この従来方式の課題を改善するため，2段のBFを複数階層保持し，コンテンツの移動性によって格納するBFを変える拡張方式を提案し，評価を行った．