バースト廃棄がインタラクティブ通信の応答性能に与える影響の評価

摘要

今日，様々な商用クラウドサービスが普及しつつあり，大量データ処理，データバックアップ等の用途に使用されている．ワイヤレスブロードバンドの普及と相まって今後，移動デバイス、シンクライアントからリモートデスクトップ等でクラウドを利用する形態が増加しそれに伴うインタラクティブ通信が増加すると期待される。これら各種の機器間はTCPによる通信が中心になると考えられるが，無線アクセス網における時々刻々変化する回線品質や，データセンタにおける仮想サーバの移動により，エンドエンドのTCP通信は大きく影響を受け，通信のレスポンスは大きく低下することが予想される．トランザクション型アプリケーションのレスポンス時間に着目し，通信セッションの途中で通信品質の変化が生じても高速レスポンスを維持できるよう動的にアルゴリズムを再選択する制御方法であるReconfigurable TCPを提案した．これらの研究では無線網におけるメディアエラーを想定したランダム廃棄を前提としていたが，本稿では，中継装置などでバースト的にパケット廃棄が生じる環境においても提案方式により効果が得られることを示す．