ノードシステムへのJAVA言語適用に関する検討

摘要

多くの開発者人口を抱え，ミッションクリティカル系等，高い信頼性を要するシステムへの適用も増えつつあるJava言語は，ライフラインであるノード系システムへの開発言語としても魅力的な選択肢となりつつある．一方で，ノード系システムへのJava適用の課題の一つにガベージコレクト（OC）による一時的なシステム停止（Stop The World，STW）の存在がある．一般的にGCのSTW対応としては停止時間の短いGC方式であるコンカレントマークアンドスイープ（CMS）方式を導入するケースが多いが，CMS方式の停止時間のチューニングはトライアンドエラーになりがちで収束しにくいこと，チューニングで対応しきれない場合には設計見直しが必要であり，工程の後戻りが発生することが課題である．本研究では，通信ノードへのJava適用を目的として，通信ノードのソフトウェア特性とそれから導かれるオブジェクトのライフタイムに着目し，GC処理モデルよりSTW時間をシミュレートすることにより，効率よくチューニングが行えること，設計段階での取り組みによりSTW時間の目標値達成が実現できることを述べる．