コストマネジメントのためのABCの戦略的活用～付加価値を意識した仕事の見える化により業績への貢献度を高める

摘要

活動基準原価計算(ABC: Activity-Based Costing)は、間接費の配賦に特徴をもつ原価計算手法であるが、活動(activity)に着目すれば多様な応用が可能である。管理会計は「不況の申し子」などと言われ、不況期にコストダウンのために重視される傾向がある。しかし、一時的な原価低減ではなく、付加価値を高める体質改善を実現する取り組みが重要である。本稿では、業績貢献の観点で問題認識から目標設定までを自ら体系的に行える「戦略的ミドルマネジャー」のあり方について触れた上で、その全体像におけるコストマネジメントへのABCの戦略的活用を考察する。