秋冬野菜を加害するハクサイダ二の生態と防除対策

摘要

ハクサイダニは冬に活動するダニで，被害は冬 から春に発生する。 雌成虫は体長0．7mm，胴体部は黒色で暗赤紫色の4対の脚をもつ。 胴体部背面後方に肛門があり，水滴状の排泄物をつけていることが多い（図1）。 昼間は葉裏や日陰で加害しているが，夕方や曇りの目には葉表でも加害する。 わずかな震動でも葉陰や株基に隠れ，行動はきわめてすばやい卵は橙赤色，楕円形で植物体上や土壌などいたるところに産み付けられるが，ハクサイでは地際部や外柔の葉柄（白い部分）に多い（図2）。 産卵は1粒ずつ行われるが，葉脈沿いや狭い場所が好まれるのでので，結果的に数段重なった卵塊となっていることも多い。 なお，近似種のムギダニは，ムギやイネ科牧草などの害虫として古くから知られている。