珍しい芸の黄花檀香梅の整枝

摘要

ダンコウバィはクスノキ利の落葉の低木。 学名は、Lindera Obutusiloba。 リンデラがクロモジ属である。 クロモジ属の植物は茶花として用いられることが多い。 ダンコウバイを始めとして、クロモジ、シロモジ、アブラチャン、ヤマコウバシなど、いかにも渋い茶室の庭によく合う樹々がある。ダンコウバイはそのなかでも地味なほうで、アブラチャンのように有用でもなく、クロモジのように楊子として看名ではないので、あまり知られていない。しかしクスノキ科の樹だけあって、枝を祈るとよい香りがする。立派に楊子としても使えるが、クロモジの名に隠れているのは惜しい樹なのである。花も美しい。花木としても用いられるアブラチャンに劣ることもない。秋の黄色に変わる葉も見事。 すべてが茶花としての風格を備え、樹姿も夙に雨にふらふらと揺れて優雅である。 盆栽の素材としてはごく少ない。 稀に小品の素材や、革もの盆栽として使われるくらいである。 これはじつにもったいない。 同じ仲間のヤマコウバシは、小品盆栽や寄せ植えの材料とされることもある。 ヤマコウバシは小枝もよく分枝し、杖枯れも少ないことが判ってきて、今後は利用されることも増えると思われるが、ダンコウバイは今もって日陰の身である。