最新の耐候性評価技術について

摘要

塗料が塗装された物体（以下，被塗物と記す）は屋外の複雑な気象環境下に設置，もしくは適用されて，その役割を果たす。 塗膜の役割は，このような暴露環境下において，美装および防錆などの特徴が，いかに初期の状態（性能）を発揮し維持できるかである。 耐候性は重要な評価寧日であるにもかかわらず，他の物性や防食性に比べ，外観的な光沢とか色差などの外面的な評価が中心で，劣化機構の解明など学術的な解析は一部で行われてきたものの，断片的な研究発表にすぎない状況であった。 しかし，昨今の促進耐候性試験機と表面分析·解析機器の開発普及によって，塗膜表面における劣化メカニズムの解明研究が進み，それに基づく屋外暴露試験との相関性の解明に向けて，幅広い分野での取り組みが実用化してきている。 昨今の促進耐候性評価技術に関し，学会講演，公知文献など発表資料を基に，本報では促進耐候性試験の現状，および代表的な促進試験機の仕様，試験機相互の比較試験の内容など記載する。