建設分野における環境問題と塗料·塗装における対応

摘要

21世紀は「環境の世紀」と言われるように,環境問題への対応がわれわれ人類のこれからの文化や社会,産業の帰趨（きすう）を決する大きなキ一であると言えよう。 ちなみに，ドイツの代表的な環境学着であるエルンスト·U·フォン·ワイツゼッカー氏によれば,17世紀は「宗教の世紀」，18世紀は「宮廷の世紀」，19世紀は[国民国家の世紀」で,20世紀は「経済の世紀」であり，各世紀において現実主義者たちが経済,国民国家，宮廷さらには宗教のそれぞれを活動の基盤として，自らを評価してきたとしている。20世紀の初頭と比べて4倍近くに急増した約60億の地球人口は,21世紀中ごろには100億人を超えるのではないかと見られている。 一方で,それらの人口は常に地球資源を消費し，その結果として膨大な廃棄物を大気,地中あるいは水中へ継続的に排出している。 約60億となる人口の10％強を占めるのが先進諸国であり,そこで地球資源の80％程度を消費しており,残りの国々も，現状における先進諸国の後を懸命に追い続けている状況である。