環境対応の測定業務とシックハウス対策

摘要

新築住宅や増改築工事後の使用建材や施工材などから，多量に放散するホルムアルデヒド（HCHO）や揮発性有機化合物（VOC）が,室内の空気汚染物質となって人の健康に悪影響を与えている。 これらはシックハウス症候群，化学物質過敏症を引き起こし，その被害と訴訟の増加によってマスコミの報道がエスカレートし,消費者の住まいに求める健康住宅志向が一段と高まり，社会問題へと発展してきた。 このニーズに対応するため，第154回通常国会で「シックハウス症候群対策」法案が成立し，これに基づき各省でも基準·規制が強化され，現在,シックハウス問題を無視して建物に携わることのできない状況と言っても過言ではない。 本稿では，筆者が携わっている測定業務·シックハウス対策について実例を含めて述べる。