戸建て住宅における耐候性試験技術の導入と評価

摘要

1960年に，「木質パネル接着工法」による木質系の工業化住宅が誕生してから，半世紀が経過した。この間，戸建て住宅の性能は飛躍的に向上し，特に劣化対策においては，通常想定される維持管理条件下で，構造躯体（くたい）の使用継続期間が少なくとも，100年程度となる措置が講じられた「長期優良住宅」が普及するまでになっている（写真－1～5参照）。　劣化対策に関（かか）わる性能評価方法の一つである「耐候性試験」も大きく進化し，さまざまな試験方法，試験条件，あるいは性能評価基準などが定められてきた。本稿では，戸建て住宅の外装部材の塗膜を対象として，耐久性能評価に不可欠な耐候性試験技術に関する知見の一端を記す。