米国の建築インスペクション制度について

摘要

米国ではBuilding Code（建築基準法）は州法として定められており、また郡·市レベルの自治体はその詳細規定を強化あるいは付加した建築関連法規を有している。 従来各州法は表－1に示す3種のモデル基準をベースにして制定されており、かノフォルニア州ではInternational Conference of Building Officials（ICBO）が作成したUniform Building Code（UBC）がベースとなっている。 しかし制定母体の3団体が2003年2月にInternational Code Council（ICC）に統合され、建築関連のモデル基準もInternational Building Code（IBC）へ統一されたことを受け、現在各州では建築基準法のBCへの移行が進められている。 2003年9月現在では、全部または少なくとも一人部の規定について移行が完了もしくは予定されている州は32州である。 建築工事のインスペクション制度は、この建築基準法や建築関連法現に明示された強制力を有する制度であり、IBCをはじめカリフがレニア州法やロスアンジェルス市法規にも同様の規定が明示されている。 なお民間工事のインスペクションでは、ケースに応じて市、部および州のいずれかが管轄権を有している。本稿では特にカリフォルニア州およびロスアンジェルス前の事例について紹介する。