コンクリート構造物のライフサイク--診断·補修·マネジメント

摘要

冒頭にも述べたように、「構造物には維持管理が重要である」といわれて久しい。 このところやっと、コンクリート構造物の維持管理の重要性が本当に認識されるようになってきたと感じている。 こうした中で、公共構造物を経済的に高いレベルで維持するには種々の新しい技術が必要となる。 従来、ともすると新材料や高性能材料は割高となり、良いことはわかっていても土木構造物への導入が難しかった。 そこに、ライフサイクルコスト評価の導入など、新たな価値観も生まれつつあり、従来にない新しいアプローチも可能となっている。 合理的な維持管理戦略によってコンクリート構造物のライフサイクルをコントロールするためには、新設構造物の設計·施工·品質管理·検査、既設構造物の点検·診断·補修などの総合的な技術が必要である。 また、維持管理についても個々の技術の向上はもとより、維持管理体制や技術者の養成など多面的な検討が必要である。 やるべきことは山積していると言っていい。