PRTRとリスクコミユニケーシヨン

摘要

企業にとっては、PRTR制度はデータを収集。提供するためのコストや、データが公開されることによる住民対応等のデメリットもあるが、データを収集することにより自社の排出·移動量を正確に把握し排出量を削減し自社内の管理システムを構築すること、またその結果の廃棄物削減によるコストダウンあるいはイメージ向上の宣伝へと活用することが可能となる。また、データ公開を契機として住民とコミュニケーション·プログラムの策定などに取組により地域での自社操業を円滑にすることも可能となる。こうした観点から企業がPRTR制度を今後積極的に活用していくことが期待される。 　 また、PRTR法が、法の目的を達成するためにはどのようにデータを活用していくのかの議論が今後の大きなテーマとなるであろう。 PRTRデータは「量」のデータであり、特定の化学物質の排出量が多いと言うことが必ずしも環境リスクが高いと言うことを意味していない。 環境リスクについて判断するためには、冬物質の毒性等のハザード情報、排出後の物質の経路·曝露の形態のデータ等さまざまな情報が必要となるo PRTRによるデータを、実質的に活用するためにはリスクコミュニケーションと併せてこうした様々な情報の整備も必要となってくる。 米国では、NGOがこうした情報を積極的に市民に提供しているが、我が国でもPRTRが本当に総合的化学物磐メントの手法となるためには、たNGOの育成と自治体の施策ように展開していくのかが重要てくるであろう。