蛍光X線分析用新けい石質認証標準物質系列“JRRM 220系列”の紹介

摘要

耐火物技術協会には.1985年1/1に標準化委員会の基に結成された蛍光X線分析分科会（後に，分析分科会と改称。以下，分科会と称する）によって，1998年までの約13年間をかけて調製?認証値付けされた9組の蛍光X線（以下，XRFと称する）分析用標準物K系列（以下，JRRM系列と称する）が整備されている。これらJRRM系列は.代表的な耐火物材質毎に用意され，各々10?15試料/系列の標準物質群で構成され.9~12種の化学成分のXRF分析の検量線の作成ができるように設計されている。JRRM系列は，耐火物のXRF分析に1?するJIS R 2216(耐火物製品の蛍光X線分析方法）及びISO 12677の中枢を構成する公式標準物質である。そのようなJRRM系列の中の一つであるけい石質耐火物用JRRM 201~210(以下,JRRM 200系列と称する）は，当初想定していたけい石質耐火物に留まらず，JRRM系列を持たない耐火物1など.広範な耐火物の分析に適用され，高けい酸n耐火物の製品や原料のXRF分析において欠かせないものとなってきた。しかし，このJRRM 200系列が長年の頒布を通じて消費され在庫切れに直面し，現行系列に代わる後継JRRM系列の作製が求められる事態となった。なお，後継JRRM系列の作製については，1985年に作製された粘土質耐火物用JRRM 101~110の中の105が品切れとなり，緊急代替品として105aを作製後，より広範囲な組成に対応したJRRM 121~135が1993年に整備された経緯もあり，1986年に作製されたJRRM 200系列についても.緊急代替品の201a及び205aを調製後，従来から要望のあった成分や含有率範囲の拡大を図った後継JRRM系列の作製を行った。