CaO－ZrO_2-C系耐火物に添加されたSiCの効果と挙動

摘要

CaOは，原料として多量に存在し，高融点（2570°C），低気相圧そして炭素の存在下で安定であるという利点があり，他方，炭素は優れた耐熱衝撃性と耐スラグ侵食性の利点があるi巨3き。 それ故に，CaO－C系耐火物は，かなり以前から金属やセラミックス工業への適応に有効な耐火物に成ると見られてきた。 しかしCaOの水和し易さの欠点から，CaO－C耐火物の適用は進まなかった。 CaOの水和抵抗性を改良する研究は，長年に亘って行われ，幾多の有効な試みや手法がとられてきた~1）,3).4)著者らもまた以前に，CaO粒の周囲にCaZrO_3保護層を形成させる，耐水和性CaO－ZrO_2系組成物の作製を報告した~5）。 これまで，耐水和性CaOの商品化は可能であると考えられてきている。 したがって，CaOの水和抵抗性を改良する研究以外に，CaO｛系耐火物の酸化抵抗性を改良する研究に注意が払われるべきである。 残念ながらこれまで，この観点からの研究は限られていた~7）。