セラミツクスにおける超常·ナのプロセスを駆使したワンダーマテリアルの創製と工学的応用

摘要

酸化物に代表されるセラミックスは「機能の宝庫」とも言われ，多様な構造にもとづいて，高温超伝導，強誘電性,強磁性,巨大磁気抵抗,など様々な特性を示すので，従来の半導体では実現できない光·電子·スピン複合型デバイスのキーマテリアルと期待されている。 これらの材料開発におけるキーテクノロジーとして挙げられるのが，表面·界面の原子レベル制御とナノスケール微細加工技術の確立である。 複数の金属元素を有する複酸化物では，結晶最表面に顔を出す元素のバリエーションも広く，Si，GaAsなどの半導体とは違ったより複雑な表面·界面制御技術が要求される。 これまで我々は，セラミックス，特に酸化物の原子レベル制御を可能にするようなレーザ一分子線ェピタキシー（レーザーMBE）法を開発し，既存機能や既存プロセスの延長ではなく，驚異的な機能を有する材料という意味で"ワンダーマテリアル（Wonder-material）"の概念を提唱して，その創製をめざした研究を先導的に行ってきた。