地震発生層における地震素過程の解明

摘要

活断層·地震研究センターでは，内陸地震の予測·評価手法を高度化するために，これまでの地質学的調査主体の手法に加え，地球物理学的な研究を融合させることにより物理的合理性のある長期予測を目指す方針である．これら手法の融合のためのプラットフォームとして「物理モデル」を構築する（岡村，2009；桑原，2009）．そして，物理モデルを基に，コンピュータ上で数値シミュレーションを実施することで地震発生の予測を行う．したがって，今後の地震発生の時期や規模を予測するシミュレーターの高精度化のためには，活断層の活動履歴解明に加えて，地震発生プロセスを再現するための基礎となる物理モデルの信頼性を向上させる必要がある．活断層·地震研究センター地震素過程研究チームでは，物理モデルの信頼性向上を目指し，地殻の力学的な性質や物性を明らかにするために，地震発生層における断層運動の物理法則解明に取り組む．