チリ通信：チュキカマタ鉱山の近況

摘要

2003年10月にコンセプシオンにおいて，3年に1回の割り合いで開かれる第10回チリ地質学会が開催され，私も参加しましたが，チリ鉱業界の最近の進展は目を見張るばかりで，続々と大鉱床及び新鉱床に関する情報が提示されていることを改めて痛感いたしました。大学に近く，私も学生を入れているチュキカマタ鉱床群についても飛び込みの発表もありました。 先日，コデルコ ノルテの地質総括責任者であるAlejandro Faunes（アレハンドロ ファウネス）氏が当教室にみえ，チュキカマタ鉱床群に関する特別講演をしてくれました。 大変興味深い内容でしたので，以下にその概略を記します。 チエキカマタ鉱床については3年前にプログレスレポートが出されました。 それによる地質図を第1図に示します。チュキカマタ鉱床群は世界最大の銅鉱床地帯の一つですが，チエキカマタ本体の余命はあと十数年とのことです。現在ピットの最大深度は800mを越えていますが（第1図），それ以上は銅品位の低下が著しいので更に深度を増すことは考えていないそうです。 しかしながら，West Faultの東側深部には高品位の鋼·モリブデン鉱化高が確認されているので，坑内掘りに切り替えて開発を続けるそうです。