接着樹脂の粘弾性を利用したフィルム型電気接続(FTC)とそのモジュール化適用

摘要

近年，モノのインターネット化（IoT)という概念の下，モノの状態や変化をセンサ搭載の機器によってデータ化し，その解析結果をフィードバックさせることにより価値を創出しようとする動きが活発化している.大量のセンサを利用する社会では,使い捨てを可能とする安いセンサやバッテリーなどのデバイス需要も急増すると考えられる.そして，それらのデバイスは様々な場所に取り付けられるベく薄く，折り曲げ可能で，環境に優しい材料で構成され,低電力で駆動し，しかも多様な要求仕様に対して安価にカスタマイズされることが望まれるであろう.すなわち，このようなセンサによるIoT進展に伴い，「安くて自分に合ったモノ·サービスが欲しい」といったニーズをユーザーが主張しやすい需要環境へと変化する.このような観点から，IoT関連機器の製造といったモノづくり面では，これまでの少品種·大量生産といった製造方式からオーダーメイド品のようなカスタム製品を作り出す多品種·少量生産の製造方式への改変が求められる.本報告では，開発したフィルム型コネクタ（FTC)を用いた接続の詳細と動きのあるモノに接続した場合の接続信頼性に関して，従来技術との比較を交えて報告すると共に，本技術を活用した曲面実装のモジュール例を紹介したい.