LEO衛星IPネットワークにおける位置情報を用いた移動管理

摘要

本稿では，LEO衛星IPネットワーク（LEO）でのノードの移動性を実現するための移動管理について検討する．移動管理では，移動ノード（MN）の不変で一意な名前とネットワーク内の位置を常に関連付け（バインデイング）しなければならない．一般的なIPネットワークでの移動管理を考えると，ハンドオーバ（HO）によってIPアドレスが変化するため，同時にバインデイングの更新（BU）作業が必要となる．LEOでは基地局に相当する衛星が高速に移動するためHOが大規模かつ集中的に発生する．従って，既存の移動管理手法では，HOに伴ってコストのかかるBUも集中的に発生してしまうため，LEOには適していない．そこで本稿では，MNの地理的位置情報をアドレスに利用することでHOとBUを分離する，LEOに適した移動管理手法を提案し，コスト評価を行い有効性を示す．