SCRを装備した舶用ディーゼルエンジンの認証技術

摘要

IMO（国際海事機関）では，舶用ディーゼルエンジンのNO_x削減規制を段階的に進めている．著者らは，NO_x削減の実用技術の構築を目指して，一般社団法人日本舶用工業会が日本財団の助成を受けて実施した「スーパークリーンマリンディーゼルの研究開発」のもと，舶用ディーゼルエンジンに用いるSCRシステムの研究·開発を進めてきた．そして，本研究開発を終了した後，2010～2012年には，一般財団法人日本海事協会と一般社団法人日本舶用工業会との共同研究事業「SCR装置が装備されたエンジンの認証技術の確立に関する調査研究」事業として，SCRを装備した舶用ディーゼルエンジンの認証を円滑に実施するための課題の整理及び認証技術の確立を目指した調査研究を実施した．本共同研究事業においては，エンジンとSCRを一体としてNO_x排出量を計測するスキームAと呼ばれる認証方法を想定した実機試験やエンジンとSCRシステムについてそれぞれのNO_x排出量と脱硝率を計測し，全体のNO_x排出量を算出するスキームBと呼ばれる認証方法の認証精度を確認するための試験などを行った．本報では，本共同研究事業で得られた成果の一部を紹介する．