表計算ソフトを活用した伝熟計算方法

摘要

近年のIT技術の発展には日を見張るものがある。十数年前までは，伝熱計算といえばそれに携わる研究·開発者あるいは設計者が，対象となる系に対して熱伝導方程式を構築し，それを解析的に解くか，差分方程式あるいはそれの連立方程式を独自のコードを開発して解くことが主体であった。しかし，最近では市販のソフトウェアを使って，より複雑な構造物に対して正確に熱計算を実行できるようになってきた。詳細な図面と正確な熱的環境さえ分かれば，対象とする系の温度場を誰もが正確かつ容易に予測できることが一般的になってきたのである。ただし，それを実行するには高価な数値計算環境とモデル化のテクニック，すなわち使いこなせるだけの技量ということになるが，これらを準備しなければならない。