泌尿器疾患(勃起機能障害?排尿障害)

摘要

循環器疾患と泌尿器疾患はあまり関連がないように思えるが，近年，勃起機能障害（erectile dysfunction ； ED), およぴ下部尿路症状との観点から注目が集まっている。しかし，特にEDについては日常診療の場において患 者側から申告することは少なく，循環器科に受診しても 注意して聞くことは少ないと思われる。ED治療薬の中 心は，シルデナフィルをはじめとしたphosphodiesterase type 5 (PDE5)阻害薬であるが，基本は血管作動薬で あり，心血管疾患(cardiovascular disease ； CVD)と 関連があるのはわかりやすいであろう。本特集の心不全に関しても，（厳密には単純な機序だ けではないが）脳性/心房性ナトリウム利尿ペプチドの 影響や，体位変化に伴う体液移動などが尿量に影響し， 頻尿などの症状を呈する。また，過活動膀胱の原因の一 つとしても動脈硬化，血管虚血の関連が注目されている。本稿では，心不全およびCVDとEDの関係を中心に 述べるせ,CVDと排尿機能についても触れておきたい。