16S ribosomal RNA遺伝子を用いた歯周病患者の唾液中細菌叢の網羅的検出

摘要

口腔内は硬組織と軟組織が混在した構造的にも複雑な環 境である。そこは多くの面から構成され，それぞれの表面 には多様な細菌がバイオフィルムを形成するが，その中のいくつかの細菌が口腔内の2大疾患と言われるう蝕や歯周 病に関わっているとされている。2005年の歯科疾患実態 調査にて，25歳～34歳の若い世代ですでに約80%， 45 歳～54歳の中高年層では約88%に歯周病の所見が認めら れるとしている。それに加え，口腔内の特定の細菌は感染 性心内膜炎をはじめとする心疾患や，誤嚥性肺炎，小児の 骨髄炎，早産や低体重児出産，その他全身疾患を引き起こ すとされている。