ミルクアルカリ症候群について教えてください．また，ビタミンD製剤の服用により発現する可能性はありますか？薬剤師がチェックすべきポイントを教えてください．

摘要

高カルシウム血症，代謝性アルカローシス，腎不全がミルクアルアカリ症候群の3主徴である．20世紀初頭に易吸収性のカルシウム含有制酸剤（主として炭酸カルシウム）とミルク（やはりカルシウムを多く含有）が消化性潰瘍の治療に用いられ始め，その副作用として存在が知られてきた．カルシウムの大量摂取とアルカローシスによる腎臓からのカルシウム排泄抑制がその原因であるといわれ，ビタミンDとは直接の関係はない．現在は消化性潰瘍治療薬として非吸収性のH2受容体括抗薬ヤプロトンポンプ阻害薬が使用される頻度が多くなり，発生頻度はかなり減った．しかし，今でも主に初老期女性の骨粗鬆症治療薬として炭酸カルシウムを使用する場合などにかなりみられる．