がhを治療する新しい薬分子標的薬第3回がhの血管新生のしくみからみた従来型抗がh薬と分子標的薬のちがい

摘要

正常な組織中の細胞は，周囲に張り巡らされた血管から十分な栄養や酸素を得ることで，必要とされる機能や形態を維持している.とくに細胞の数に関しても厳密な制御のもと，増えすぎないように調節されている.ところが，がh細胞の場合は，非常に増殖が活発であることから，大量の栄養や酸素が必要となり，既存の血管だけではとてもその量をまかなうことは不可能である.そこで，この増殖を維持すべく，がh細胞はより多くの栄養や酸素を得るために，新たに血管をつくり始める.このように血管が新たにつくられることを血管新生と呼ぶ.がh細胞の過剰な血管新生によって張り巡らされた新生血管がその活発な増殖活性を支える源になっている.