重篤な副作用として知られている乳酸アシドシスの初期症状および発現を留意すべき時期について教えてください．また，乳酸アシドーシスを惹起しやすいケースについて教えてください．

摘要

1970年代にピグアナイド（biguanide；BG）薬のフェンホルミンは，致死的な乳酸アシドーシスという副作用の報告によりわが国での使用は激減し，発売中止となった．その後，1995年4月米国の食品医薬品局（FDA）においてBG薬のメトホルミンが承認され，The Multicenter Metformin Study Groupによる比較臨床試験で本剤の有用性と安全性が示された．さらに1998年，英国の肥満2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床試験であるUKPDS（United Kingdom Prospective Diabetes Study）により，メトホルミンが糖尿病関連イベントに対する抑制効果をもつことが証明された．