農業農村整備のための生態系配慮の基礎知識（4)一水田、農業水利施設の魚類相とその保全一

摘要

魚類は，農業農村整備事業における環境配慮の対象として最も情報の蓄積が進hでいる分類群と言える。しかし.平成13 年度の土地改良法改正以降も，水田水域を利用する魚類の生息 状況は十分に改善されていない。よって本稿では，改めて水田、農業水利施設に生息する魚類の生態，農業農村整備事業によ る影響について概観する。続いて，水路および水田における主 な調査方法，生息場の保全策について，それぞれネットワーク の問題と，水路およびその他の生息環境の問題とに分けて留意 点を含めて紹介した上で，今後の課題として水田の大区画化や 維持管理の担い手の減少、高齢化などへの対応，モニタリング と順応的管理について筆者力《感じていることを述べる。