乾燥地域における植林技術—根をデザィンする一

摘要

ひとくちに乾燥地域といっても場所によって様々 な自然が存在しており、移動する砂に覆われた砂沙 漠だけでなく 、 土壌表面が礫に覆われた岩石沙漠、 アラビア半島でサブハ81)と呼ばれる塩類集積地帯 がある。一般に乾燥地の植物はヮジtt2)沿いや大き な砂丘の裾野等の比較的水条件の良い場所を選hで 生育している。多量の降雨の後に一斉に発芽して短 期間に開花、結実し、その種子を地上に散布して次 の雨を待つ植物も多い。吸収した水分が蒸散で失わ れるのを防ぐために、葉を鱗片状や刺状にしたり、 葉を多肉化し貯水組織を発達させたりするものもあ る。こうした植生の遷移や分布は、過去から現在に 亘つて住み続けてきた地域住民の生活からも大きく 影響を受けてきた。人々は作物を栽培し、家畜を飼 い、里山で若葉や果実あるいは薪炭材等を採取して 生活しており、その結果としてそれぞれの地域の植 生や景観が成り立つている。