アルミニウム鋳物の品質とは何か？（その品質を理解するために）

摘要

鋳造技術者にとって、鋳物製品の他材質／他の工法による製品に相対する品質そのものの比較や、品質（あるいは改善過程）がどのレベルにあるかの判定が、科学的基礎の確立により可能となった。金属製品の品質という概念は、鋳物工業の中で広く普及してきた。しかしながら、品質という言葉は誰でも使うが、明確な定義を示せる人は少ない。その上、鋳物業者が同一製品を造り同一加工をしても、その材料の機械的性質は異なるものになることは一般的な事実である。この違いは何が原因で起こるのか？アルミニウム溶湯へのガス、鉄と酸化物の混入は、鋳物の品質には有害である。含有される鉄の限界量は市販のアルミニウム合金では明記されているが、しかしガスと酸化物はどのように測定すればよいのだろうか？この問題に対する一つのアプローチは、品質指標の使用である。それ以外のアプローチ方法は、鋳物試験片を使用して品質指標を測定することである。鋳物試験片は良質の履歴材を使用したものか、標準材を溶解し鋳造され作製された図Aに示す管理用形状物である。鋳造品または試験片の相対的品質評価のためには、鋳物業界で開発された品質指標を用いる。