ナセル搭載LIDARによる風車の高効率化の動向·展望

摘要

風計測LIDAR（Light Detection And Ranging）は、大気中のエアロゾルに対しレーザ光を送受信し、受信光のドップラー周波数シフトから風速（風に乗って移動するエアロゾルの速度）を計測するリモート風センサである。このLIDARにはCW（Continuous Waves）、パルスの2方式があり、前者が前方の単一距離のみの風計測であるのに対し、後者は複数距離の風計測、つまり風速分布計測が可能である。このセンサの風力発電での利用が近年進hでおり、本稿で述べる風車高効率化だけでなく、ウィンドファーム建設前後の風況調査、風車出荷前および設置後の評価等、利活用の幅が拡大している。中でもナセル搭載LIDARを用いて風車前方の風を計測し、計測値に基づき風車制御し発電を高効率化する技術は、最近実証が始まった注目用途である。ここでは、この技術の展望·動向を紹介する。