地球温暖化問題への新たな潮流：クリーン開発と気候に関するアジア太平洋バートナーシップ(APP)について

摘要

先進国に温室効果ガス排出削減義務を課した京都議定書が昨年2月に正式発効したことにより、2008年から2012年までの第1約束期間に向けた当該諸施策が各国地域にて着々と進行しつつあるなか、温室効果ガス絶対排出量の大きなアメリカ（京都議定書から脱退）や中国（京都議定書下での削減義務なし）などにおける同ガス削減施策の展開についても地球規模の気候変動への解決に向けた重要課題と認識されている。 このような状況下、アジア太平洋地域の主要国が連携を組み、同課題やそれに繋がるエネルギー問題などに対する自主的協働活動をおこなっていく、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ（以下APP）が、本年1月より本格的に動き始めた。本稿では、APPの全体および当業界に係わるタスクフォースの概要を紹介し、気候変動施策に関する世界の流れについて示していくこととする。