都市鉄道におけるレール波状摩耗の発生メカニズムと防止対策

摘要

地下鉄や民鉄·JRの通勤路線などで頻発している急曲線内軌側レールの波状摩耗について，発生メカニズムと防止対策に関して得られた研究成果について述べる．波状摩粍の発生メカニズムを究明するために，台車が急曲線を通過する時の姿敷車輪·レール間に作用する力や振動などについて実路線で測定を行った．次に，実物台車を用いた回転試験機による実験や計算機シミュレーションにより一波状摩耗を発生させることに成功し，「車輪·レール間の過大なすべりと輪重変動が合わさってステイク·スリップが発生し，波状摩粍に至る」という基本メカニズムを実証した．したがって，対策としては，①車輪·レール間に過大なすべりが発生しないようにする，②垂直接触力，すなわち輪重変動を低減する，③車輪·レール間の摩擦などをコントロールして，スティック·スリップ振動の発生を防ぐ，の3点が有効である．