海外における高速鉄道の現況

摘要

日本の東海道新幹線が開業して，今年（2004年）ではや40年を迎えようとしている．周知のようにこの都市間高速鉄道は画期的な成功をおさめ，増加を続ける自動車輸送に押されて斜陽化の流れにあった鉄道界の大ニュースとなり，世界初の高速鉄道として鉄道史上に金字塔をうち立てた．これにより，「高速化」が鉄道の復権·活性化の一つの有効な手段であることを世界の鉄道関係者は認識した．日本の新幹線の成功をうけて，その後1981年にフランスのTGV，1991年にドイツのICE，1992年にスペィンのAVE，1994年のユーロスターと，西ヨーロッパ各国でも次々と高速列車が走り始めた．現在では，日本とフランス·ドイツ·スペイン·ベルギー·イギリスで営業最高速度300km/h（一部の区間では300km/h以上）の高速列車が走行し，高速新線の延長は世界で約5,900kmに達している．このような高速鉄道は，アジア主要国の人口稠密な回廊の輸送構造の改善とヨーロッパ連合(EU) 内の交通ネットワーク強化のため，東アジアと西ヨーロッパにおいて集中的に整備されてきている．日本の近くでは，韓国と台湾で高速鉄道の建設が行なわれており，今年4月1日から韓国のソウル～釜山間で最高速度300km/hの高速列車が走り始める．