三菱電機における直流3kV対応VVVFインバータ装置の設計

摘要

当社では，車両推進制御装置分野において数多くのVVVFインバータ装置や主変換装置（C／I装置）を納入してきた．しかしながら，ヨーロッパの電気鉄道においては，直流3.0kVで電化されている路線が多く，直流3.0kV架線対応のVVVFインバータ装置の開発が必要不可欠である．そのような折，当社は，直流3.0kV架線の路線を走行する中距離列車の電機晶受注に成功した．直流3.0kV架線下で動作する車両であることから，車両推進制御装置であるVVVFインバータとしてもそれに対応する必要がある，そこで，当社では，6.5kV耐圧パワーモジュール（以下，6.5kV-HVIPM：High Voltage Intelligent Power Module）を主回路半導体として用いた，直流3.0kV対応のVVVFインバータ装置を開発した．現在，開発したVVVFインバータ装置は車両に搭載され順調に営業運転を継続している．本稿では，当社が開発した直流3.0kV対応のVVVFインバータ装置について紹介する．