LRTに関する技術的話題の提供－富山ライトレール新技術の背景

摘要

1997年熊本市交通局は，日本で初めて通勤電車と同じようにステップのない乗降が可能な低床式車両を導入，LRTの実現を目指した技術開発のきっかけとなった．10年を経過した2006年4月29日，富山市にトータルシステムとして次世代型路面電車·LRTと呼ぶに相応しい「ポートラム」が開業，1年間の営業，維持管理の実績は，関係者のご努力により，利用者はもとより海外の専門家からも高く評価され，若干のお手伝いをさせて頂いた筆者も大変うれしく思っている．富山の事例は，地方都市の地域公共交通モデルとして全国から視察があり，また，本年5月に公布された「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」とも相まって，LRTが各地に普及する可能性が高まった．本稿では，LRTに関連する技術的話題を，富山の事例を中心に，思いつくままではあるが幅広く提供することにより，より進hだLRTを実現するために，少しでも役立てていただければと考えている．