初歩的な力学的内容の習得を目的とした水中ロボットの開発

摘要

本研究では，理工系教育の中でも特に力学的内容の基礎を学ぶことを目的として水中ロボット教材を提案した．これにあたって，学習指導要領に基づいて学習目標を決定した．また，この学習目標を達成する，重力·浮力·力のつりあい等の関係性を考える必要のある水中ロボット教材を開発し，WSを実施した．WSにより，本教材が動作の背景にある力を可視化し，それを利用した試行錯誤を可能にすることを確認した．そして，その試行錯誤が力学的内容の学習に対して寄与したとみられる結果を得た．さらに，本教材が三次元運動という従来のロボット教材では難しい特性を持つことが，参加者たちの興味を引き学習意欲を伸長したと見なせる結果を得た．