特産果実の生産と機械化：個性的な経営と組織力で発展

摘要

冒頭から私事で恐縮であるが，平成13年4月に生研機構を退職し，同年7月に生まれ故郷の山形県上山（かみのやま）市に戻ってきた。私の実家は，私で4代目となる果樹農家である。 リンゴが経営面積全体の7割を占めているが，ほかに山形の特産として知られるオウトウと西洋ナシを栽培している。 私は昭和49年に当時の農業機械化研究所に入所し偶然にも果樹用機械の研究単位に配属された。 そして農機研から生研機構に在籍した27年の間，一度も他の部署に異動することなく，果樹の機械化研究に従事することができた。各地の果樹産地や関連研究機関と関わり，貴重な体験をさせて頂いたことは，私にとって非常に幸運だったと思っている。 一方で，日本の果樹産業に十分な貢献ができないまま退職したことは，大変心苦しく感じている。