歌舞伎座タワ一の環境保全

摘要

歌舞伎が開始されたのは安土·桃山時代のことであり，出雲出身の阿国という女性が巫女や遊女たちを集めて念仏踊りを公開したのが始まりと言われている。「当代記」という史料によれば1603年（慶長8年）に出雲の阿国が京都で旗揚げ公演して歌舞伎踊りを披露して大評判になったと伝えられている。当初は巫女や遊女たちの踊りは主な興業内容であったが政治が安定した江戸時代になってからは「風紀が乱れる」という理由で女性の踊りが禁止されたため男性だけの踊りと芝居に発展していった。江戸では1675年（延宝3年）に初代市川園十郎が荒事芸を開始して歌舞伎を一大芸能として全国に広めた。一方，1678年（延宝6年）に初代坂田藤十郎が京都上方で襲名披露して歌舞伎が大衆芸能として確立した。上方歌舞伎に比べて江戸歌舞伎は豪快であり，江戸庶民だけでなく武家社会の妻女たちにも人気が高かったので，江戸市中に芝居小屋が次々と造られて江戸の一大娯楽場へと発展していった。