VOC等の標準ガスについて

摘要

本講演では，産業技術総合研究所（産総研）·計測標準総合セン夕ー（NMIJ）で開発したVOC3種混合標準ガス及び高純度一酸化窒素標準ガスの概要とそれらが開発された背景について紹介する。 標準ガスは，大気環境や種々の排気ガスなどを測定する際に，ガス濃度計の校正に用いられており，国家標準にトレーサブルなものが必要とされている。 現在の標準ガスの供給体制では，図1に示すように計量法に基づくJCSS制度により，国の指定した指定校正機関である化学物質評価研究機構（化評研）が濃度標準ガスの最上位に位置する特定標準ガスを調製保持し，これを基準として認定業者（ガスメーカー）が実用標準ガスを供給している。 化評研は，特定標準ガスを調製·維持·管理し，更に特定標準ガスを用いて認定業者からの特定二次標準ガスの値付けを行っているが，SIへのトレーサビリティに関しては，産総研が役割を担っている。