1,4－ジオキサンの分析方法の検討

摘要

このほか，これまで水道原水から基準値を超える汚染により取水停止した重大な汚染事例も複数報告されている。化学物質排出把握管理促進法に基づく化学物質排出移動届（PRTR）制度のデータによると，1,4－ジオキサンは，排出量のおよそ90％が大気に排出され公共用水域への排出量は少ないものの水道原水などからも環境基準値の0.05mg/Lを超過した事例がみられ，環境中での分解性が低いため，一度排出された場合には大気汚染や水質汚濁などを引き起こしやすいといえる。1,4－ジオキサンについては，平成21年環境省告示第78号で，分析方法としては，固相抽出－ガスクロマトグラフ質量分析法，定量下限は0.005mg/Lであると発表した。当社では，告示法において定量的に示していない操作条件などの検討を行ったので，その結果についていくつかの知見を得たので報告する。