レーザー応用技術で進化する成形加工：プラスチック成形品のレーザーマーキング技術

摘要

最近プラスチック成形品への印刷において，環境への配慮から有機溶剤の使用削減への要求が増えている．さまざまなプラスチック材料への印刷またはマーキングへの要求もある．印刷ラベルや金型への彫り込みによる表示をレーザー加工に替えたり，製品の使用環境が厳しく，印刷では簡単に消えてしまうため，印刷技術が使用できない分野もある．また，製品の偽造防止や製造物責任の観点から，消えない印刷への要求も増えている．従来のインキを使用する印刷ではこれらの要求を満たすことは難しい．一方，本稿で紹介するレーザーマーキングの技術は，近年レーザーマーキング装置の進歩，精密塗装技術，カラーレーザーマスターバッチの開発などで，応用分野が拡大している．最近，透明な成形品へのマーキングも実現してきており，今後印刷に代わる技術としての応用も期待できる．