ナノ·マイクロ成形用材料と金型技術

摘要

金型形状を被加工材料に転写する「形状転写加工法」は，ナノ·マイクロデバイスの低コスト，高効率生産方法として将来の集積回路やバイオ，化学，医薬などの様々な分野で革新的な量産加工技術としての役割を担うものとして期待されている．この加工法の原理に基づいたプラスチックの加工では，最も生産性に優れる溶融 - 固化成形方法（射出成形）があり，金属の塑性加工では，コイニング， R印加工と称されてきた加工方法がある．こうした形状転写加工法の技術は，a）材料技術，b）金型技術，C）加工技術，d）加工機械技術から成る．これらは相互依存の関係にあり，したがって，総合的な研究開発が必要である．現在，PMMAなどの熱可塑性の非晶性高分子材料ではナノメートルオーダーの成形加工が行われているが，その微細加工限界の検討を行うとともに，他の材料，特に金属材料での微細成形加工の可能性を検討すること，金型材料とその微細加工方法を検討することは特に重要である．