プラスチック成形加工の最近の研究動向：CAE

摘要

ハードウェアの低価格·高性能化を追い風に，CAEに対する関心と期待が高まっており，業界関連誌の特集や各種のセミナーにおいて，多くの導入事例や活用法が紹介されている．また，精密成形品あるいは大型成形品への適用事例を見て，CAEの導入を推進するケースも多くなっている．しかし，裾野が広がる一方で，「うまく使えない」，「実測値と合わない」と頭を抱える担当者も少なくない．CAEを活用するためには多くの知識·経験を必要とされることが主因であるが，要求·期待されている精度と市販されている解析ソフトの精度との間に，隔たりがあることも無視できない．相変化を伴う複雑な近似式の確立と膨大な演算処理が不可欠であることを考慮すれば，精度向上のためには今後も多くの努力が必要と思われる．そこで，2001年の学会発表や論文·解説記事の中から，筆者が特に興味を持ったものを紹介する．