再生可能エネルギーの導入拡大とFIT後の再生可能エネルギー発電政策について

摘要

長期的には2018年7月3日に閣議決定された第5次エネルギー基本計画において再生可能エネルギーを主力電源と位置付けて、2030年のエネルギーミックスにおける電源構成目標の実現を目指し、再生可能エネルギーの主力電源化への布石としての取り組みを早期に進めるとしている。他方でFIT制度による2019年度の買取費用総額は3.6兆円に達しており、国民負担の抑制と再生可能エネルギーの普及促進を同時に進めるという課題に直面している。また、2009年に開始された余剰電力買取の契約期間が10年で終了するため、新たな買い取り先の検討が必要となる問題（2019年問題）に直面している。2030年の目標達成およびそれ以降の持続的な普及のためには、2019年問題の住宅用太陽光を含めてFITの買い取り期間が終了していく中での持続的な再エネの普及策の検討が必要になる。これを受けて経済産業省は現行のFIT制度の抜本的見直しを目指して政府審議会での議論を進めているところである。