緑と人の健康とのかかわり－線（植物）とのかかわりはなぜ健康たよいか－

摘要

緑の植物とのかかわりが人間の健康によいことはすでに古くから知られていた。治療やリハビリテーション領域での農耕、園芸の活用は20世紀に入ってから主にアメリカで注目され，Horticultural therapy（園芸療法）として実用の段階にいたっている。園芸療法は，日本では1990年代から本格的な導入，啓発，普及が図られ，急速に発展し，2008年には日本園芸療法学会が設立された。そして最近では，療法的な活用とは別に，心身の健康維持、増進を図り，さらには社会の健康，たとえば，家族関係や地域社会を健全に維持、増進するうえでの，植物とのかかわりが注目されるようになってきた。