リンゴにおける果実変形の品種間差

摘要

リンゴの変形果発生機構解明の端緒として'ふじ'， '恵'，'つがる'，'王林'の果実の変形パターンを明らかに した.いずれの品種でも変形指数に関して重さの階級間で 差がないことから大きさにかかわらず同じ程度に変形している（していない）ことが推定された.変形指数は横より 縦が大きく果実は縦方向に変形しやすいことが明らかに なつた.'ふじ'は縦変形指数,横変形指数ともに他品種 より大きく変形しやすいことが判明した.横断面半径最大 値の出現位置は'ふじ'と'つがる'が子室と子室のほぼ中央に現れ，'恵'と'王林'は中央より右側の子室に近い位置に現れた.横断面半径最大値の出現位置を起点（0°)として横断面半径最小値，縦径最小値，縦怪最大値の出現位 置を調査したところ，縦怪最大値はどの品種でも横断面半 径最大位置の周辺に現れたが，横断面半怪最小値と縦径最 小値の位置は品種によって異なった.'ふじ'の横断面半 径最小値と縦径最小値は横断面半径最大位置を直径とする 直線に対してほぼ左右対称に出現する確率が高いことが判 明した.謝辞当研究の立ち上げにあたりご助言ご協力いただ いた元秋田県果樹試験場の藤井芳一場長，岩手県農林水産 部県産米戦略室の小原繁県産米戦略監，岩手県農業研究 センターの加藤藍主任専門研究員および研究遂行にご協 力いただいた皆様に感謝申し上げます.